グザヴィエ・ドラン監督作品『Mommy/マミー』あらすじ、感想。正方形のスクリーンに映し出される感情の起伏に圧倒される!
1989年生まれのグザヴィエ・ドラン。まさかの同い年!
凄い才能ですね。ということで、今回見たのは彼の最新作『Mommy/マミー』
スコア
★★☆☆☆(2.5)
あらすじ
ギリギリの生活を送るシングルマザーのダイアン(アンヌ・ドルヴァル)は、15歳のスティーヴ(アントワーヌ・オリヴィエ・ピロン)と二人で生活している。彼女は最近矯正施設から退所したばかりの注意欠陥多動性障害の息子の扱いに手を焼いていた。やがて母子は隣の家に住む、今は休職中の高校教師カイラ(スザンヌ・クレマン)と親しくなっていき……。 シネマトゥデイより
感想
正方形のスクリーンに映し出される各登場人物の感情に振り回されました。
見終わった後、軽く頭痛が・・・。
これは悪い意味でなく、グザヴィエ・ドラン監督の世界観はすばらしかったです。
母と息子の関係性、それぞれの心情を、卓越した映像センスで描き出しています。
登場人物の閉塞感のある心情を表すのは、正方形のスクリーン。
そこに映る剥き出しの感情は、観るものを引き付けます。
そして、閉塞感から解き放たれる時に使用されるワイドスクリーンでは、観るものの感情をも解き放ちます。
ストーリーとしては、苦悩の連続で少しストレスが貯まりました。
どこかでスッキリと問題が解決されるわけでもありません。非常に難しい問題を扱っているので、やはり閉塞感からは逃れることは出来ないのかもしれません。
「愛より希望を選んだ」という決断からは、母親の愛と責任を感じとれ、深く考えさせられました。しかしながら、もう少しその「希望の光」を見たかった。というのが正直なところです。
グザヴィエ・ドラン監督とは?
映画界で今大注目の若手監督グザヴィエ・ドラン。
19歳で『マイ・マザー』を監督として完成させ、いきなり第62回カンヌ国際映画祭・監督週間部門に選ばれ、鮮烈なデビューを果たしました。
その後も次々と話題作を世に送り出し、今やカンヌの常連にもなっています。
間違いなく今後の映画界を牽引していく監督の一人です。
グザヴィエ・ドランは、男性という性を捨てた人間の物語「わたしはロランス」や、人間の不安を巧みな心理描写で描いた「トム・アット・ザ・ファーム」など、人間の心情を表現することを得意としています。
次回作『The Death and Life of John F. Donovan』(原題)もすでに撮影中で、これは彼のハリウッドデビュー作品となります。
グザヴィエ・ドランが、ハリウッドの舞台で、どんな人間に焦点をあてどんな心情をどんな手法で描き出すのか、非常に楽しみです。
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予告編
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