樹木希林、永瀬正敏出演。河瀬直美監督『あん』感想、あらすじ。~誰にだって生きる意味はある~
河瀬直美監督作品、『あん』を見てきました。
ハンセン病患者の隔離という難しい問題を扱っているにもかかわらず、見る者を優しい気持ちにさせてくれる、すばらしい映画でした。
スコア
★★★★☆(4.0)
あらすじ
刑務所から出所したのち、どら焼き屋「どら春」の雇われ店長となった千太郎の店に、徳江(樹木希林)という女性がやって来る。その店で働くことを強く希望した徳江を千太郎は採用。徳江が作る粒あんが評判となり、店は大繁盛。そんな中徳江は、つぶれたどら焼きをもらいに来ていた女子中学生のワカナと親しくなる。ところがある日、かつて徳江がハンセン病を患っていたことが近所に知れ渡り……。
おすすめポイント
1.樹木希林の自然体な演技がとにかくすばらしい!
2.見終わった後、必ず前向きになれる!
3.日本の四季の美しさに改めて感謝したくなる!
感想
映画館から出た時、空を見上げて、「この世に生まれてこれて良かったな」と本気で思いました。たとえそれが、どんよりとした曇り空であっても雨模様であっても、全てに感謝したくなりました。
そんな気持ちにさせてくれる作品です。
社会から除け者にされてしまった人たちは、どのように人生に意味を見い出せばいいのか?
その問いかけに樹木希林演じる徳江さんは、こう答えてくれました。
「ねえ、店長さん。わたしたちはこの世を見るために、聞くために生まれてきた。だとすれば、何かになれなくてもわたしたちは、わたしたちには、生きる意味が、あるのよ。」
成功する者、失敗する者、人生はいろいろです。
けれど、たとえ自分が人生で何かを成し遂げられなくても、生きる意味はある。
私たちは、何気ない毎日のなかで、数え切れない幸せを既に手にしているんです。
四季の移ろい、人とのかかわり合い、それら私たちの周りにある小さな幸せに対して、しっかりと目を向けること、そして耳を傾けること。
そうすれば生きる意味は自然と見えてくる、聞こえてくる。
そんなふうに教えてくれた徳江さんの1つ1つの言葉に励まされ、人生を前向きに生きていこうと思わせてくれる優しさに溢れた映画でした。
予告編
原作はこちら↓
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