キング牧師を初の映画化!『グローリー/明日への行進』あらすじ、感想。人種差別に対して改めて思うこと。
アカデミー賞で主題歌賞を受賞した『グローリー/明日への行進』を見てきました。
❒スコア
★★★★☆(4.0)
❒あらすじ
1965年3月7日、マーティン・ルーサー・キング・Jr.の呼び掛けにより集まった、黒人の有権者登録妨害に抗議するおよそ600名がアラバマ州セルマを出発。だが、デモ行進がいくらも進まないうちに、白人知事は警官隊を動員して彼らを暴力で制圧する。その映像が「血の日曜日」としてアメリカ中に流れたことにより抗議デモはさらに激しさを増し、やがて世界を動かすことになる。 シネマトゥデイより
❒おすすめポイント
1.キング牧師初の映画化!それだけでもう見るっきゃない!
2.キング牧師のスピーチ、そして黒人たちの勇気に心が揺さぶられる
3.アカデミー賞を受賞した「Glory」が最高に良い!感動!
❒アカデミー賞で披露された「Glory」
最後に泣いてるの見て本当に感動しました。これは必見です!
❒感想
キング牧師の活動を描いた映画が、これが初というのは少し意外でした。
アメリカ史にとっても非常に重要な人物であるキング牧師を映画にするのは、大きなチャレンジだったと思います。下手な映画は作れないですからね。
しかしながら、この映画は見事な完成度で、当時の黒人に対する差別。そして、それに屈することなく非暴力で対抗した黒人たちの闘いを丁寧に描いていました。
そして、黒人差別が蔓延する社会を変えるために、キング牧師が取った手段は、とても考えさせられものでした。
非暴力での抵抗に徹し、協力者をたくさん集め、そして返り討ちにされるとわかっていても前に進むこと。それによって、白人たちが丸腰の黒人たちを暴力で押さえつけている姿が、テレビや新聞などのメディアで取り上げられる。
新聞の1面なることの重要性、それは大統領が必ず目にするということです。
そのようにして、北部の白人たちの同情を得ることができ、大統領にとっても決して無視できない問題だと思わせることに成功し、国をも動かす力になっていくのです。「国民が世の中を変える方法」を教えられた気がしました。
また、キング牧師のスピーチ。これは言わずもがなかもしれませんが、心に響きます。
❒この映画を見て、有色人種への差別に対して改めて思うこと
今から、たった50年ほど前の話。キング牧師が、黒人に大きな希望をもたらし、人種差別の蔓延する社会を変えたことは間違いありません。
しかしながら、そのキング牧師も白人至上主義者による凶弾に倒れ、完全に黒人差別がなくなったわけではありません。
今再び、白人警官が無抵抗の黒人青年を射殺した事件などにより、黒人に対する排斥運動と、それに反発する黒人たちのデモなどが活発化しています。
この映画は、アメリカ社会を描いた作品ですが、日本においても決して関係のない話ではありません。言うまでもなく私たち日本人は、有色人種です。
公民権運動により、黒人のみならず有色人種に対する意識が変わったと思います。
あの時代の、黒人たちの勇気ある行動がなければ、今なお私たち日本人は、世界の舞台に出ることは許されず、大きな差別に苦しんできたかもしれません。
それに私たち日本人も、外国に出ると少なからず、差別の対象とされることはあります。
この映画で描かれている問題は、今も消えずに残っているのです。
日本での公開劇場数が少ないのが非常に残念ですが、日本人が今見るべき映画だと思います。
❒予告編
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